お葬式・葬儀-平安会館-平安閣グループ

スタッフの絆ブログ

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響け!届け!低く轟く和太鼓の音に乗せて

薄曇りのなか、ぐずつく空が時折、思い出したように静かに涙をこぼした二月、中旬。

「こんなこと、お葬儀でしてもいいんですか?」

ご家族様、はじめは恐る恐るの疑問系でした。ひしひしと伝わる想いを、何とか形にしたい。お側で寄り添い、一緒になって考え抜くうちに、いつしか…キラキラと輝く瞳で、お心を見せてくださったご家族様…和太鼓を演奏して、大切な祖母を送りたいというお孫様でした。

「衣装の帯、白と黒の、どちらがいいと思いますか」

お話が進むにつれ、そんな、ささいに思えることまでご相談いただいて…まるで、共に送る仲間に入れていただけたようで、嬉しくなりました。実際の演奏に決まり事がある訳ではない、ちょっと汚れも気になるかな…そんなお声を聞き、思わず…

「汗と想いの詰まった汚れた大事な白い帯、ここぞという晴れ舞台の為の立派な黒い帯、おばあちゃんに見せたい帯は、どちら?」

そう問えば、見開かれたその目に、答えがありました。一色斎場での、家族葬のご様子をお伝えいたします。

見上げるほどの大きな和太鼓は、故人様から、最近、大切なお孫様へ贈られたお品。いつ搬入しよう?どこに置いて、どんな演奏をしたらよい? 小学生の頃から和太鼓に触れていらしたお孫様。ただ、この大太鼓の音色は、故人様には一度もお届けできなかったそうで…

いつ、どんなタイミングで、どんな演奏を。司会者を交え、入念に打合せを繰り返し…お供えものとして、祭壇の一部のようにお飾りした和太鼓を一心に見つめる眼差しに、こちらも息をのみました。そして、出番。

「献奏」

凛とした司会者の声と共に、その想いが式場に響き渡りました。

ひとつの太鼓から奏でられる音はまるで音楽、そして物語でした。低く、高く、時に激しく、時にやさしく。ただ、一人のために、今できる精いっぱいを尽くす。自信にみなぎる、力強い後ろ姿を、誰もが食い入るように見つめていました。

こちらはお通夜のご様子。「二度演奏するなら、同じものはやらない。考えます」つい最近、和太鼓のチームを結成し、動き出したばかりのお孫様。そのリーダーとしての風格が、端々に感じられる、頼もしいお言葉でした。もう来月には、二件もイベントのご依頼を受けておられるそう。故人様はきっと、自慢のお孫様の想いを、誰よりも近くで、感じられたことでしょう。

甘い和菓子と、からいおせんべい。故人様がお好きだったそれ、止まらなくなる組み合わせですねと、皆で笑いながらお教えくださり、こちらでご用意させていただきました。 当日はバレンタインデー。十年ほど前に、先にゆかれたご主人の元へ、手ぶらでいかせるわけにはゆきませんね。

故人様と、ご長女様の二人分。これなら、手作りにみえるかな?そっと、向こうで先に待つおじいさまへ、お持ちいただきました。

葬儀のことを考える、ただそれだけで、ずっと涙の止まらなかった喪主様。なにより、来てほしくなかったお時間がきてしまい…はらはらと涙が、まるで思い出がこぼれるように、故人様にふりそそぎました。

初七日まで、お供えとして飾らせていただいた和太鼓たち。本日のお役目を終え、大人の男性が四人がかりで扱う姿を見て、そんな大きく、大切なものを贈ってくださった、故人様の覚悟を感じました。 そしてそれを受けとり、発展させてゆくお孫様の覚悟、それをささえる、ご家族の覚悟をも。

 

お葬儀は、ひとりではできません。想いを伝えるのも、その方法によっては、とても、ひとりでは形にできないのです。

和太鼓をたたく、凛と伸ばされた力強い背中。それを熱持った眼差しで見守るご家族。そして一番近くで、微笑みながら見守ってくださったであろう、故人様。二日間という短い時間の中で、こころの奥底まで響き渡る和太鼓の音色と共に、本当にたくさんの大切なものに、触れさせてくださったご家族様に、お手伝いをさせていただけた感謝と、そしてどうぞ、皆様の大切なお体にお疲れのでませんよう、スタッフ一同、こころからおいのりしております。

 

文十鳳凰殿 平安会館 家族葬の結家 ちごの口 サライ

一色斎場担当:古橋

お通夜・ご葬儀の様子, 古橋 春奈

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